神奈川県産小麦と栽培農家のおかれている現状
かつて湘南エリアは小麦の一大生産地でした。
しかし、現在神奈川県産の小麦を取り巻く状況は厳しく、県内の2014年の小麦収穫量はわずか100トン。
1989年の1,020トンを境に、翌90年から1,000トンを切り1/10に。
減少傾向が続いています。
原因のひとつは小麦価格の安さと、国からの補助の削減。
農家さんが小麦を生産する理由がなくなっています。
このままでは県内産の小麦を生産する担い手はいなくなり、県内産小麦は消滅するかもしれません。
”湘南小麦®”とは?
この危機的状況に立ち上がったのが、伝説のパン屋さん「ブノワトン」の故・高橋幸夫シェフでした。
「湘南小麦プロジェクト」を立ち上げられ、栽培農家から一般の小麦価格の数倍の値で
収穫された小麦全量を買い取る契約をすることで、農家さんが安心して小麦を栽培してくれる環境を整えます。
さらに、石臼を6基備えた専用の製粉所と穀物貯蔵庫「ミルパワージャパン」を設立。
高橋シェフが理想とする「低温・石臼製粉」を実現し、本格的に製粉業としてのスタートもきりました。
しかし高橋シェフは志半ばで病に倒れ、2009年8月、41歳という若さで他界されます。
私はこの活動を知ったとき、強い衝動に駆られました。
ご存命であれば、高橋シェフは私と同い年、さぞかし無念だったと思います。
唯一、高橋シェフから製粉を教わった一番弟子の本杉正和シェフがパン店と製粉所を引き継ぎ、
店名を「ムール ア・ラ ムール」と改め、同じ場所で営業を続けられており、神奈川を代表する人気のパン屋さんとなっています。
”湘南小麦®”とは、このお二人により設立・存続された「ミルパワージャパン」が、湘南地区で契約栽培した小麦を低温管理の下、
丁寧に精麦し石臼で製粉した小麦の総称です。
「太陽のおやつ」シリーズでは、この希少な”湘南小麦®”を主原料として使用させていただいております。
食をつないでいくために
使ってくれる人がいるからこそ、農家さんは原料を作ってくれます。
この活動を通して、少しでも”湘南小麦®”の生産・収穫量が増え
いずれ神奈川県産の小麦が、北海道や九州に続く国産小麦の一翼を担えるようになれれば
そして、このプロジェクトが、その一助になれば本望です。